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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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皇帝フリードルムの手記

あれから数時間―
ネズミ退治後の疲れも癒えた我等は地下の方を再び探索していた。
どうやら地下は、牢屋と兵士達の宿舎、2つのエリアに別れているようだった。

とりあえず、片っ端から部屋を調べてみる。

手近な扉を開けてみると何て事はなかった。
部屋にあるものと言えば、部屋中に散らばっている簡易寝台の破片だけだった。


…ちょっと待った!

誰かが居る!!

暗がりから現れたのは、物静かで神秘的な暗い感じの男だった。
どこか商人を思わせるその男は開口一番、
「掘り出し物に興味はないかね?」

この魔物と障気が渦巻く世界で商売とは…。何と呑気な…。
そう思いつつ、やっと会えた人間に余もオズワルドもほっとした。

「俺はクィークェグ、どうして欲しい?」

どうして欲しい? か……そうだな、とりあえずこの城の事や周辺を探ってみるとするか。

「コズミック・フォージというのを聞いたことはあるか?」

「それは何のことだ? 聞いたこともない」

ちょっと落胆した。
仕方がないかも知れない。
見るからに商魂たくましい賤しい男だ。
知ってるわけが無い。

「何か面白い話はないか?」

「いかれたフランス野郎が塔に住んでいる! 名はル・モンテス。
船長にお気に入りを取られていかれちまったんだ!」

いかれたフランス野郎…
あの塔にいた、高圧的な男の事か…。


「あのフランス人はイカれてる。船長があいつのお気に入りを取ったんで、あいつは怒って、船長を閉じ込めた」

「お気に入りは何処に?」

「ル・モンテスのお気に入り! 確かスヌープチェリとかなんとか。
フランス人はまだ探してるぜ!」

スヌープチェリか。
その言葉を言えば、あの男は恐らく態度を変えるかも知れない。

「船長とは?」

「『船長のねぐら』のボスだ。かなりやな奴だ。いかれたフランス人が『船長のねぐら』の中に閉じ込めた」

「『船長のねぐら』とは何だ?」

「酷い評判のみすぼらしい巣窟だ。ここから遠くはないが、入るには合言葉がいるぜ」

「合言葉を知っているか?」

「合言葉は教えてやるよ。ただし情報が先だ」

「それは構わぬ。が、情報とは?」

「船長は宝をどこかに埋めちまったんだ! そいつを聞きたいのよ!宝が無ければ合言葉も無しだ! 船長は宝箱を何処に埋めた?」

「知らぬ」

「そうか…ところで、神秘の油は要らないか? 絶対に、損はさせないぞ…」



神秘の油を辞退し、我等は先程の塔へ戻った。
相変わらず扉は固く閉ざされたままだ。

「スヌープチェリとは?」

その言葉を聞いた後の、老人の声のトーンの変わり様は、一種の見物だったであろう。

「スヌープチェリを見つけたのか? 何故それを最初に言わない!! さぁ入った入った!」


背が高く、細身だが、がっしりした体格の男がそこには居た。

「わしはル・モンテスじゃ! この塔に住んでおる。最近塔は陰気になってしまった(ヤレヤレ)。…ところでスヌープチェリを見つけてくれたかね?」

「いや、残念だがまだ見つけてはおらぬ」

「あぁ、どれほど長いこと探し続けていることか!もし彼女を探し出してくれたなら、わしが船長を自由にしてやろう。ただし、スヌープチェリが先じゃ!」

「ところで…コズミック・フォージとはなんだ?」

「それはなんのことだ? 知らない。聞いたこともない」

「スヌープチェリとは何だ?」

「いとしいもの! 彼女は真っ白で大きな黒い鼻と長い耳をしておる! 船長がわしから奪い去った!」

真っ白…
大きな黒い鼻と長い耳…

それは某キャラクターの事では…?


「船長とは?」

「我等の呪われた船の船長。七つの海を渡った最も汚らわしき男!奴は城の地下に閉じ込められてる」


どうやら、クィークェグもル・モンテスも目的の物を渡さない限り情報や何かここから抜け出せるヒントもくれないのだろう。

…まったく、ここの連中は…


その間にも草やネズミ、またごろつき共が我等に襲いかかってくる。
襲撃の度に死にそうになるが、必死にブレスで切り抜ける。

この能力が開花してなければ、生き延びられなかっただろう。

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