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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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「何故だ…フランソワ…どうしても自分たちとは行かないのか?」
姉の問いかけに、フランソワは振り向きもせず、ただ黙っていた。
その答えは聞くまでもない事を理解していたのは、他でもない問いかけをしたテレジアの方だった。

「自分もお前と再び隣り合わせで戦いたいのを願っている。お前だってそうだったんだろう!」

「…はい…」

振り向いたフランソワの顔は蒼白だった。
悲しさと恋しさでせめぎ合っているその表情を見て、テレジアは頷いた。

「分かっている…お前が何を言いたいのか。だが、これが自分にとって―兄上にとっても最善なのだ」

「最善?それが最善だと言うのですか、姉さん」
非難めいた口調にテレジアは動じていなかった。
それを見て、これ以上何も言っても無駄、というのを互いに理解していた。

「…今の、恥を忘れた兄さんや姉さんとは居たくないのです…さよなら…お元気で」
直ぐさまきびすを返し、二度と振り返る事も無くフランソワは駆けていった。

「…フランソワ…」
またしてもお互いに相容れなかった―
ラーガイル分裂の日と同じ光景を繰り返してしまった事に、テレジアはしばらく目を閉じたまま沈痛な面もちで立ち尽くしていた。



「何故だ…兄さんも…姉さんも…」

冒険者の一覧に懐かしい兄や姉の名前を見た時、フランソワに動揺が走った。
今グランクールパーティーの一翼を担っているが、
兄や姉と一緒に―敵としてではなく背中を任せられる味方として―戦いたい思いが込み上げてきたのだ。

淡い期待と希望は、兄と姉の変貌した姿を見た衝撃で脆くも崩れ去った。

フェルディナントはその鍛え上げられた肉体を惜しみなくさらけ出していた。
一糸纏わぬ、という表現がピッタリだった。
そんな姿でリルガミンの街を闊歩していたのだ。

兄と姉は「ニンジャ」になっていた。
心無い殺人マシーン、エリート中のエリート、と言われる最強の戦士たちである。
東洋の暗殺者の称号を持つ彼等は、成長と共にその肉体をより強化する事が出来た。
繰り出される手刀の一撃は、地下10階にひしめく最強の悪魔、グレーターデーモンの首を吹っ飛ばし、その肉体は鋼鉄の鎧よりも遙かに強靱で、通常の武器では傷つける事すら出来ないと言われている。
彼等を冒険者達やリルガミンの人々は畏敬と、ある特殊な感情を込めて見つめていた―

そう。
マスタークラスになったニンジャたちは一撃必殺、先手必勝を信条としてるため、空気抵抗や重量の関係からか、何も身に付けないのだ。
それが意味する事は1つ―

彼等は常に全裸なのである


テレジアは一応、東洋のニンジャが身に付けていたという下着、褌を身につけているが、全裸に限りなく近い姿であるのは言うまでもない。
そんな姿でも女騎士の美しさや凛々しさを失っていない。
だが、それでもフランソワの今までの兄や姉への思慕といったものをぶちこわしたのには変わりなかった。

―絶対嫌だ!!兄さんも姉さんも!!そんなすっぽんぽんで!!ニンジャなら普通覆面くらいしてるものだろう!!

だが、全裸に覆面では余計その変態さに拍車がかかるのに気づき、さらにフランソワはげんなりとする。


数日後、ウェインがニンジャになろうとした時、訓練所まで先回りして猛反対するフランソワの姿が確認されたのは言うまでもない。

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