忍者ブログ
わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あの褐色肌の少女たち―恐らくアマゾンの集団であろう―の後を追うことを諦めた自分たちは仕方なく危険地帯を抜け、
鉄格子を東から順番に可能な限り全て開けていった。
一番東の牢屋には骨が積み重なっている。
山のように積み重なっているのは、忘れ去られた囚人の骨だった。
それも鎖に繋がれたまま死んだらしい。

骨の間を探ってみると、指の骨のところに変わった指輪があるのが見つかった。
調べてみると、周囲に文字が掘り込まれていた。
 O L L Y R O G E R
J             S
あ            わ
 んごう・かいどくゆび

海賊の解読指輪を航海日誌の文字の上にかざしてみると、以下の文章を読めるようになった。

一応自分のメモに写してみた。


…相変わらず偵察隊からの連絡はない。
もう、残骸となった船は捨てるしかなさそうだ。
ちくしょうっ! この霧さえ晴れれば…

99
救命ボートで上流へ向かう。現在、生存者は9名。
モーガンの顔色が悪い。
症状は他の者と同様。彼も病気になったようだ。

100
朝、モーガンの容体が悪化。
夕方、死亡。
原因不明の病気に、皆恐れをなしている。
もしかすると、我々が毎日食べているこの鼠肉が原因かも知れない。


「ネズミの肉か…」

この城に来て、クィークェグと何度か交渉している。
大抵は武器防具だが、何度か干し肉を分けて貰っている。
後は、時折狂ったこそ泥たちが持っているカブが今の自分たちの食料である。

これだけでももうウンザリしている。

この城に入って(閉じこめられて)、日記をみれば4日しか経っていないが、実感としては数ヶ月近くさまよっているような心地だ。
極限まで来たら、自分たちも殺した魔物の肉を喰らう事になるかも知れない…。


次の数ページは汚れが酷く判読できなかったが、
その更に次はまた読めるようになった。

106
船長は、船に戻れば皆死んでしまうといっている。
しかし、このままではいずれ皆幽霊になってしまうだろう。
体が消え行く原因がわからない限り…

107
今朝、ゴルモン死亡。症状は他の者と同様。
ついに生存者は6名。
船長は宝箱を埋めなければならないといっている。
運ぶには重過ぎる。
こんなクソッタレ山から下りられるなら、なんだって歓迎だ…

109
ロスコウが岩棚のところでモーガンを見たといっている。
勿論、皆モーガンが死んだのは知っている。
どうも、皆少しいかれて来たのかもしれない。
少なくともロスコウはおかしい…

109
今日、モーガンを見た。
死んだはずのモーガンを見るなんて、俺も病気にやられたみたいだ。
あいつの顔は血だらけで、何も言わず、じっと俺の顔を見て笑ってやがる。
俺もいかれちまったらしい…

110
神よ守りたまえ! 
今日、宝箱を生めて山を降りる途中、巨大な怪物に出くわした。
アレは人間だったかもしれないが、
兎に角身の丈が3メートル以上もある。
ロスコウを捕まえ、頭を噛み切り笑いながら吐き捨てた。
我武者羅に逃げ切り、兎に角ここに来た。
ここが何処だかはわからない。
我々は完全に道に迷った。
船長はとにかく動き続けるしかないといっている。

111
ついに"ジャイアントマウンテン"から下山した。
尤も、これは勝手につけた名前だ。
かなり大きな渓谷が続き、
そこかしこに橋や渡り綱が張り巡らされている。
向こうのほうには一群の人影が見える。
何かを掘っているらしい…

112
ドワーフたちに声を掛けてみることにする。
もしかすると、助けてくれるかもしれない…

最後の数文字はインクがかすれてかろうじて読める程度で、その後は何も記されていなかった。
この航海日誌を見つけたところの骨のことを思い出してみるに、ドワーフは大して助けにならなかったようである。



しかし、我々にとってこの日記は非常に助かった。
何と言っても、この城に繋がっている山(ジャイアントマウンテン)の情報が分かったのだから。
そしてそこがどんなに危険なのかも。

だが、クィークェグが知りたい情報もここにあったのだ。
これで、海賊たちがたむろしているその部屋に入れる。



早速、開いた鉄格子を抜けて、クィークェグのところへ向かった。
"ジャイアントマウンテン"と呼ばれる所に宝はあることを伝えると、彼は大喜びした。

「ジャイアントマウンテン! なんてこった! 
何で気付かなかったんだ!
おお、そうだ…合言葉は"スケルトンクルー"だ。
情報、ありがとよ!」


スケルトン・クルー…
その言葉を覚え、自分たちは近くの部屋へと進んだ…



PR
この記事にコメントする
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[288] [287] [286] [285] [284] [283] [282] [281] [280] [279] [278]

Copyright c Scribam quid sentiam。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By Mako's / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]