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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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罠が止まり、いよいよ最奥にある尤も神聖な場所―何かの祭壇まで足を踏み入れる事が出来た。

だが、そう易々とはいかせてくれなかった。

壁の中と、祭壇の前の地中から何かが這い出てきた。
それは、おびただしい装飾品を体中に施された、生きる屍たちだった。
黄金のマスクをかぶっている、死者の中の王らしき者―アメン・タット・バット―と、彼に仕える神官―つまり、古代の王であったミイラが一斉に襲いかかってきたのである。


死者との戦いはある程度身に付いている。
ディスペル・アンデッドで、周囲のミイラどもは屠ったが、最後のアメン・タット・バットだけは手こずった。
さすが、死者の王の中の王と言われるだけはあった。
(何故そんな事を自分が知っているかと言われれば、近くに彫られていたカトルーシュ(王を示す神聖文字)を後で読んだからだ)

だが、それでも転職の繰り返しでレベルの上がりまくった自分たちの敵ではない。
フランソワの渾身のディープフリーズで勝負は決まった。

全てが終わると、兄上はさっそく探索を始めた。
ミイラたちが倒れた後には大量のアンクが落ちていたので、とりあえず拾っておくことにした。
後後役に立ちそうなので…
祭壇―否、小間の中に、粘土作りの小像が乾燥した花弁、骨、磨かれた石の玉に囲まれるようにして安置されていた。

美術価値とかそういうものは一切分からないが、これが貴重そうな宝である事には間違いない。
手を伸ばしかけたが、はたと止まった。
絶対に罠が仕掛けられている。

「やっとこれが役に立つわけだな」

兄上が引きずり回していた砂袋がこんな事に役立つとは思いもしなかった。
同じ重さ―否、何らかの重ささえ加えて置けば、罠は作動しないままだろう。

「いいか、お前達…音を立てるなよ」

珍しく緊張した声で、兄上は神経を集中させる。
今邪魔をしてはいけない。

それは一瞬の出来事だった。
兄上はしんちょうに、素早く像をかすめ取りながら、代わりに砂袋を置いた。
そのすり替えは、周りの花弁が全く動かないほどスムーズだった。

緑色の像を手に入れ、その像の顔を見て思った。
この像の顔は、通れなかった鉄格子の前にあった紋章とほぼ一致している。
あそこで何かをすれば、開くかもしれない。
そう思った自分たちは、ピラミッドの頂上まで登り、鉄格子の前まで足を運んだ。

門の天辺の丸い紋章には、奇妙な動物の首が刻み込まれていた。

そう、この手に持っている小さな像と一致しているのだ。
紋章の前で像を振ってみた。
すると、鉄格子が音を立てて開きだした。

奥には階段がある。
その上からは―何か沢山の人間がいるような気配がしていた。

「入れ…という事だろうな」

自分たちは意を決して、鉄格子の奥の階段を上った。
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