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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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亡者の鍵を使って、亡者の島に遺されている墓であろう堂に入ってみた。
堂は外見の大きさに似つかず、かなりこぢんまりとした作りになっていた。
そのくぼみの中に、このミノスの島で最期をむかえたさまよえる魂の遺物である骨のかけらが、山のように積み上がっていた。

近くに小さな壷が落ちていた。
恐らく、骨壺―カロンが言っていた、「遺灰」であろう。
どんな人間かは分からぬが、骨になったとはいえ、剥き出しにされ、ロクな埋葬もされないのはさすがに哀れだ。

そっと余は、壷に遺灰を入れた。
…500Gにつられたわけではないぞ。

最後に一番奥の堂に入った時だった。
いきなり、魔獣に襲われたのだ。
それは、雄々しい男の身体だが顔は猛牛という、いわゆる「ミノタウロス」のような化け物だった。
口から炎と同時に、次のような言葉を吐いて襲いかかってきた。


「何千もの子羊たちがいけにえにされた。わしがミノスの呪いから死をもたらし、空虚を作り出すために。
生きることを求めた者は、皆死して平穏を得るのじゃ!」

どうやら、この悪魔は相手を殺す事で安らぎを得ていたのだろう。
犠牲になった魂を束縛する事で。

無論、そんな生贄なんかになるつもりは毛頭ない。
炎を吐く魔物だけに、あっさりと余のディープフリーズで倒れた。
ふっ。
雑魚めが。
※神聖皇帝の言とは思えない

すると、死したミノの悪霊が巻き起こしたほこりがおさまった後、亡霊のような表情が現れた。
恐らく、このミノスの島の呪いによって囚われた者の魂なのだろう…


「そなたはわしを開放したのじゃ!
何年もの間、わしはこのミノスの島に
囚われておった。
行いではなく言葉によって
もたらされた呪いのために…
わしは言葉による殺人ゆえに呪われた。
言葉だけで人をあやめ、
言葉だけでその者を
死に いたらしめたのじゃ。
最初に私が『信じろ』と言ったとたん、
まるで剣の刃を見せたかのごとく、その者の
目の光りは失せ どんよりとなり、 心は機能を
失い、ほほえみから、あたたかみが消えた。
男の精神はいずこともなく さまよい、
長いこと新しきことを見、
知識をもて 生きるものに仕えていた
若き瞳は意味なく見開かれた。
わしが『真実』について語った
まさにその日、わし、すなわち
わしであった彼は死んだ。
そしてこの長き間、生命のわずかな
残りかすが おぼえていたがために、
この消え行く思考のこだまも
またここに残った。
これはミノスの島の我が呪い、
黒き水からひびく 遠き声の教えなり。
新しきものを見つめるもの、
なんじに、神の恵みのあらんことを。
災いは空虚、すなわち見ることのあたわぬ
老いぼれ、『本当』といわねばならぬ者に
残してゆくがよい…

そして亡霊はたち消えていった

…またわけのわからぬ話を延々と聞かされた。

と、その埃の中にキラリと光る物があったので、拾ってみた。
それは鍵だった。

…中央の堂の最奥に入るための鍵だ。
あそこは地下大墓地になっているようだった。

行ってみるか。

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