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ウィザードリィ第六作が350円で売られていました。
…欲しかったのにいいいい(大涙)
あれ、秋葉原でチラリと見かけたとき、12000円とかべらぼーな値段だったんです。
これは好機!!と思ったんですが、ちょうど私、ウォーキング中でした。
ウォーキング中ということは、身軽・軽装が原則という事で、
つまりお金は持ち合わせていなかったという事で…
見送る事になりました。(T△T)
うわああああんっ。
でもいま、我が家ではSFC本体が逝っちゃってるのでプレイも何も無いんですけどね…。
いつかSFCを手に入れ直したらプレイするつもりです。
久々に、プラウエンの帝城に皇帝が戻った。
その日から、城内は騒然となった。
否、皇帝の帰還についてではない―
「何この臭い…」
城内に馬の臭いが充満していたのだ。
戦線から戻ってきたばかりのルートヴィヒ・ペドロ兄弟も思わず顔を顰める。
「兄さん、城の中にも馬小屋が出来たんだろうか…」
まさにペドロの言葉通りだった。
城内にも馬小屋が三つ四つあったとしても、これほど酷い臭いではない。
臭いは玉座の間、そして執務室のあたりに来ると一層悪化した。
使用人達でさえ、ハンカチに香水を垂らしておかなければ耐えられない程―
「ラスロー…無理をせずともよい。素直にハンカチを鼻に当ててもよいぞ」
「は…ではお言葉に甘えまして…」
執務室では、ついに宰相ラスローは耐えられずに鼻を押さえた。
リルガミンの宿屋は、馬小屋だけは無料で開放されているために冒険者の多くは簡易寝台よりも馬小屋を選んだ。
恐ろしい事に、ここの宿屋は一度客を部屋に入れると一週間は部屋から出してくれないのだ。
中には、この部屋を利用したばかりに年を取って老衰してしまった者もいる。
その情報を知っていた“帝国パーティー“は最初から馬小屋を利用していた。
無論、抵抗が無かったわけではない。
それでも「加齢」という問題を考えて、皇族や爵位やそういったプライドをかなぐり捨てて彼等は馬小屋の藁にくるまって休んだ。
すっかりそれが定着してしまった頃には、身体に馬小屋の馬や藁の臭いまでがこびり付いてしまったのだ。
ラスローは一応、アイテムの鑑定や識別のために冒険者登録していたが、普段はほとんど自国で待機していたためにそれを免れた。
なお、馬臭くなったのはプラウエン城だけではない。
「お兄様、あまり寄らないでください」
「眠気覚ましになっていいだろう、シャルロットよ」
オルトドクス城も同様だった。
だが、馬や藁からなるべく離れ、かつ香水を活用していたフランソワはいつもの通り芳香を漂わせていたとか―
***
ウィザードリィープレイヤーの多くは、恐らく馬小屋以外に利用してないと思われます(笑)
ギルガメッシュの酒場―
リルガミンに住む者、いや、冒険者ならば有名な場所である。
冒険者達が集い、別れ、あるいはこれから向かう危険な【狂王の試練場】という迷宮への準備をする酒場だった。
そうした事もあって、地元民は決して近づかない危険な場所である。
下手に近づけば、柄の悪い冒険者たちに絡まれ、身ぐるみを剥がれる事など珍しくない。
近くの路地裏にうち捨てられた死体を警備兵が‘片づける’光景も当たり前である。
そんな酒場の片隅に、ラーナパーティーはいた。
「いよいよ陛下が今日お戻りになられる…」
事の発端は、地下10階の戦闘だった。
玄室に飛び込んだ時、モンスターが出なかったのだ。その一瞬の油断を―まさに玄室に潜んでいたヴァンパイア達は狙っていたのだ。
それは本当に誰もが予想していなかった事態だった。
ヴァンパイアの不意打ちを受け、皇帝が倒れ―
急所を攻撃された訳ではないので死亡は免れた。
だが、麻痺と2レベルダウンは大きな痛手だった。
幸い、レベルは下がったものの元から能力が高めであった皇帝はこれを機に戦士から君主(Lord)になることを決意したのだった。
リルガミンの城下町に戻った後、訓練所へと皇帝は単身向かった。
一日もあれば転職は完了する。
ギルガメッシュの酒場にて待ち合わせていた彼等は今か今かと待ち望んでいた。
「待たせたな」
その声に振り返ると…
「陛下!!」
確かに君主(Lord)となったのは一瞬で分かった。
だが…
「お父様…以前より頬がそげられませんか?」
「気のせいだ」
「その…お痩せになられた様ですが…」
「それも気のせいだ…それよりも、今からマーフィー部屋にいく。オズワルド、ミカエル…供をしろ」
そう言うと、前衛3人は酒場を後にする。
「ビスルクアス。貴方、一度訓練所で転職した経験がありますよね?一体、あそこでは何が行われているんです?」
「それは答えかねます。申し訳ございません」
「何故です?」
「転職経験者は、決して訓練の内容を口外してはならないと言われておりますので答えられませぬ」
その言葉にマルガレーテは戦慄した。
一体訓練所で、父の身に何が起こったのだろう。
頬がそげていたばかりではない。どことなく、ぐったりと疲れ果てていたのだ。
常に覇気と威厳に満ちていた父のあんな姿をマルガレーテは見たことが無い。
転職―職を変えるはいいが、ほとんどの者は能力が最低限にまで落ちている。
肉体的に衰え、知恵を失い、神を信じる思いまでがつぼみ、さらには運に見放される―
否、それ以前に訓練所で何人かは登録した後身ぐるみを剥がれた挙げ句、登録を抹消され、事件自体が隠蔽されているのだ。
あそこで何が起きているのか―それを想像するだけでマルガレーテは震えが止まらなかった。
数日後にマーフィーズゴースト狩りから戻り、いつもの父を見るまでは―