忍者ブログ
わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

フリードルムの手の中にある十字架は、静謐で清らかな輝きを放っていた。
亡霊から手渡された品ではあるが、聖なる力を秘めているのは傍目からも分かる。
それだけに、王妃の話は真実みを帯びていた。
あの城で何が起こったかの証人の一人なのだから―


「陛下。いかがなさいますか?」

「そもそも、我々の目的はあの王の討伐ではなく、あくまでもこの城からの脱出だ。あんな王妃の頼みなど聞かぬわ」

そう言うと、フリードルムは十字架をその場に置いた。
王妃の話を信じない
これが、ラーナパーティーの決定だった。

「あの女…嘘を付いて居るしな」

「やはり…気付いて居られましたか」

「うむ。悪魔の娘の母親は、あのゾーフィタスの所業により、命を落とし、生きた屍となって虚ろの状態で生かされておったのだ。牧師の亡霊も然りだ。それに両人が閉じこめられていた塔の鍵…あれは、ゾーフィタスの部屋から出てきた…」

「つまり、ゾーフィタスは王妃の愛人の一人…」

「そういう事になるであろうな。もっとも、SMグッズを持っていたり、ヘビを愛玩するような女だ。余計信じられぬわ」



王妃の部屋からさらに奥に伸びている回廊。
その果てに、小さな部屋があった。


王妃の話が本当ならば、そこが悪魔の娘―レベッカの部屋であろう。

PR
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[401] [400] [399] [398] [397] [396] [395] [394] [393] [392] [391]

Copyright c Scribam quid sentiam。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By Mako's / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]