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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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王妃の亡霊が消えた後、フランソワは何かに気付いた。

薄暗い殿堂の中にあって、冷ややかでいて清らかな光を放つ―十字架が落ちていた。

「これだけで、あの“王”を倒せだと?」

フェルディナントが吐き捨てるように呟いたのも無理は無い。

邪悪そのものである“災いの王”の巨大さに比べ、フランソワの手中にある十字架はあまりにも小さく、非力そのものに見えた。
もっとも、邪悪な“王”の攻撃を防ぐには効果はあるだろう。
魔物は銀を嫌う―
しかし、これであの“王”と悪魔の娘を倒せるかと問われれば―

「それでも倒さねば、この城から出られないかも知れないな」

十字架を弄びながら、フランソワは独りごちた。

“王”の力は三人の想像以上だった。

百戦錬磨のフランソワ、冷静沈着なテレジアが、ただ“王”にひと睨みされただけで催眠術にかかり、同士討ちを演じてしまったのだから。

そして、フェルディナントの渾身の一撃を受けたにもかかわらず、何事も無かったかのように立ちはだかっていたのだ。
噴水のように血をまき散らしながら、逆にフェルディナントを圧倒した様は、悪夢のようだった。
「ならば、あの王妃の言うとおり、レベッカの部屋へ行こう」

テレジアの提案に二人の最強騎士は頷き、最奥の「子の墓」へ向かった…
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