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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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始め、その墓に入った時、先行隊とぶつかったのかと思った。
そこには、漆黒の甲冑の男が立っていたからだ。
オズワルド―ではなかった。

「我を滅ぼしたるは貴様らか…」

その手に握られているのは、アヴェンジャー(復讐者)と言われる剣だ。

ジオフリー・クレイトンの周りには、鈍色に光る甲冑に身を包んだ騎士たちがいる。
かつての彼の部下なのだろうか。
だが、鎧の中からは皮膚も骨も見えない。
恐らく、彼の部下の霊―が本体なのだろう。

鉄仮面の奥の顔はうかがいしれないが、恐らく恨みと怒りに漲った表情を浮かべているのは言うまでもないだろう。
私たちを、復讐のターゲットとして見ているようだから。

だが、勝負はあっさりと付いた。
私と姉さんが周囲の騎士の亡霊と斬り合っている間に、兄さんが一撃で黒騎士を倒してしまった。

やはり、ロビンの時と同じ様に彼は霧散してしまった。
そこに甲冑と剣を残して―

アヴェンジャー(復讐者)を持っている事からして、彼は恐らく最期の日、卑怯な方法で殺されたのかも知れない。
国一番の騎士だった事から考えると、何か大きな事件があって、それに巻き込まれてしまったのかも知れない。

だが、暗殺されてしまっている今、そして書物の多くが朽ちている今、真実は結局闇の中だ。
もっとも、私たちは“災いの王”やこの城の脱出方法を捜しているのだから、そんな事は些細な事。
アヴェンジャーだけを拾って、私たちはその墓を後にした。

薔薇のハイ・マイナードと言われたブリガードも同様だった。
どうやら、ここの守護者は死んでなお、王を守っているのだ。

さして苦戦もせず、戦いは終わった。
そして、そこから暗い通路が延びているのに気付かなければ、第四の守護者に会う事は無かっただろう。

ハイヤト・ダイクダは強敵だった。
鬼(確か、般若と言ったはず)の面をかぶり、異国の鎧を身に纏っている彼は、他の三人にくらべ、威圧感が凄まじかった。
その凄まじさは、太刀筋にも現れていた。
何よりもあの刀―あれは、幻とかつて言われていた『村正』ではないか!
気を抜けば、全員の首がすっ飛んでいる。

凄まじい鍔迫り合いに勝ったのは兄さんだった。
ムラマサとアヴェンジャーの鍔迫り合いの際、ジオフリーの執念が乗り移っていたのか、兄さんの気迫は鬼気すら感じさせる、凄まじい形相になった。
その途端、ムラマサは吹っ飛び、ハイヤトは皮肉にも“介錯”を受ける事となった。
ムラマサはその後、私が持つ事となった。

守護者たちの武具を手に入れ、私たちはいよいよ、核心に迫ろうとしていた。

手には「王の鍵」がある。

あの、王の墓へ入るのだ。


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