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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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死者の殿堂内は、薄い青白い炎がともっている洋燈で多少視界は明るい。
だが、この世界では目に見える物よりも見えない物の驚異・存在の方が大きいのだ。
先程から、どこからか泣き声が聞こえる。
ああ…聞いたことがある。
あれは、バンシーだ。

死期が近付いた人間の前に現れるという、不吉極まりない亡霊だ。

それから、大量に転がっている白骨も今に動き出しそうだ。
正気を保っていられるかどうか、段々自分も不安になってきた。
だが、兄上は、意志が強いのか、只単にギーセルヘルの塔で見せたような宝漁り魂に火がついたのか、あちこちを探っている。
兄上…
下手して骨の平穏を


「すまん、テレジア。乱した…」


やはり…そういう展開か。
骨の平穏を乱すとは、前にもあった事だが、今回も亡霊たちが襲ってきた。
もっとも、この程度の亡霊は、自分たちの敵ではない。

そうだ。
自分がこんな不安を感じているのは、亡霊どもではない。

“災いの王”そのものの存在が恐ろしい程間近に迫っている様な気がしているからだ。

亡霊を倒した後、兄上が骨の間から何かを拾った。

「なんだこれは。ドローの鍵?」

しばらく、自分たちは殿堂内をさまよってみた。
そして、あちこちに特別に造られた墓を見つけた。


ロビン・ウィンドマーン
高地の射手。 第一の守護者

サー・ジオフリー・クレイトン
黒い騎士 第二の守護者

ブリガード・ダン・ウォルトン
バラのハイ・マイナード 第三の守護者

ロード・ハイヤト・ダイクダ
介錯兼用心棒。第四の守護者


かつて、この国に仕えた英雄たちの墓である事には間違いない。
ハイランダードロー…すなわち、ロビンの墓の鍵だろう。

「せっかく鍵が落ちていたんだ、入るぞ」

…兄上…

英雄の墓に入った時だった。
どこからともなく、重い声がした…


暗き夜に
死は訪れ
なんじのミノス
生をえん!

そして骨からよみがえった肉体が
しゃべった。

「ご主人様、お呼びにより参上いたしました!」

骨からよみがえったのは、若々しい美女―否、女エルフだった。
長い金髪が、闇の中で輝いている。
その途端、何かが頬をかすめた。
言うまでもない。
矢だ。

さすが英雄だけあって、彼女の矢はまるで次々と襲いかかってくる流星のようだった。
だが―
一気に間合いを詰めたフランソワの手刀で勝負はついた。


「…物騒な女だったな。それにしても、ロビンというのでてっきり俺は男だと思ったぞ」

フランソワの手によって倒されたロビンは骨すらも残さず、まるで霧の様に消えた。
その場には、彼女の愛用した弓と矢筒、それから、レンジャー最高の装備品とも言われる衣が残されていた。

まるで、自分たちがそれを使うに相応しい、と彼女が認めたかのように―

だが、レンジャー職についている者は誰もいないため、この場に残して自分たちは去る事にした。

次に、「騎士の鍵」を見つけた。
…おそらく、クレイトン卿の墓の鍵だろう。
さらに「バリキリーの鍵」(ブリガードの墓の鍵)までもが見つかった。

それでも、いくら捜しても最後の守護者の鍵は見つからなかった。

介錯であり、用心棒であるというハイヤト…
恐らく、最強の刀の持ち主であろう。
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