忍者ブログ
わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
| Admin | Write | Comment |
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

悪魔城が繋ぐ、萌え旅の仲間の輪っていいなあとふと思う今日この頃です。

misticia様から、素敵なバトンを受け取りました。ありがとうございます。
本来私はかなり腰が重く、ナマケモノもびっくりな位なんですが…!
愛のある物にはアクティブを通り越してアグレッシヴなまでに突っ走ります。(って、このサイトにいらっしゃる方々には滅茶苦茶ばれてますね。てへ☆)

ではでは、やってみましょう!

【お友達紹介バトン】
・このバトンは回してくれたお友達を紹介するものです。
・回された人は何回でも答えましょう。
・質問部分の名前は自分で変えましょう。
(バトンを回してくださった人⇒misticia様)

§まず始めに『misticia様』との関係は?§
大切な大切な悪魔城ファン仲間です。
それだけでなく、イラストやその他諸々の点で、勝手に私の師として仰いでおります。
実は、一度お会いした事があります。むふふ♪

§最初の出会いは?§
それは、アバレ祭りで私がアバレていた時、初めてコメント下さったのがmisticia様でした。
先に投稿されてた、美しい芸術品「芋を喰らう美少女」にウットリしていたので、まさかそのお方から声をかけて貰うなんて嬉しすぎました。
わ、わたしめにコメントを…と感激しておりました。

§『misticia様』は女性?男性?§
ネット界で性別聞いちゃダメじゃないかッ!!
といいつつも、美女だったと言う私。

§見た感じどんな人?§
北方の美女です。
頭の天辺からつま先まで、麗しく、且つ、知的でしっかりした方です。
それなのに、気さくな雰囲気も持ち合わせていて…
嗚呼、『天は二物を与えず』は嘘だと分かりました。

§貴方から見た『misticia様』の長所を3つ§
・知的で聡明
・優しい
・ユーモアも持ち合わせている!

§では逆に『misticia様』の短所を3つ§
短所らしい短所は見当たりません。


§『misticia様』を色で表すなら?§
純白です。
英語のbrightという単語がピッタリと思い、bright→白く輝くというイメージがあるので。

§動物で例えると?§
うーむ。やはり鹿ですね。
気品があって、しなやかな感じで。

§貴方から見た『misticia様』はモテそう?§
「そう」じゃなくて、絶対モテてます!
モテるというよりは、尊敬もしくは崇拝されてそうです。
むしろモテてなかったら、日本の男共の目が狂ってるとしか思えませんが。

§『misticia様』の一番の思い出は?§
実際にNaoさんと私と三人で出会った事ですね。
初対面な筈なのに、数度チャットで何回もメールのやり取りをしてる所為なのか、何だか数年来の友人みたいで楽しかったです。
本当に、またお会いしたいです。

§喧嘩したことは?§
ないです。

§ラブコールをどうぞ。§
これからも、misticia様の描かれる世界を楽しみにしてます!

§それでは、貴方のイメージに合うお友達10人にバトンを渡して下さい。
◇優しい人…暁乃様
◇おもしろい人…Pani様
◇頼りになる人…淡海寂光様・来瀬翁様
◇繊細な人…Nao様
◇明るい人…ひじき様
◇気の合う人…
◇不思議な人…
◇センスのいい人…ダブロク様
◇アクティブ…高時あいか様
◇気になる人…いっぱい居すぎて挙げられません。

スルー可です。
勝手に名前を挙げられてしまった方すみません。
PR
知って2年目となった為、ふと何かイラストをと思って、スタートしました。

いったい何の絵だろう、これ…と思われる方が多いのですが出来るまでのお楽しみということで(笑)


下絵
仕事面でもですが、本日父の誕生日だったので一週間かけて用意周到に準備してきました。

…が、ケーキ作りでバレてしまいました。
結局、スポンジケーキの元になるメレンゲを父に手助けしてもらう事に。
これでは本末転倒ではないか…orz

しかし、二人で作ったケーキがとてもおいしかったのでまあいいです。
結局「プレゼントする」つもりだったのに、何故か私が「プレゼントしてもらった」ような一日になってしまいました。


さらに昨日は大掃除して、部屋をピシッとしなおしました。
私の好きな空間になったので満足してます♪
明日から12月…

12月はいつもワクワクしてしまいます。
幼い頃の、楽しい思い出がいっぱいあるのが12月だったからでしょう。
…月下やゼルドナーに会えたのもこの時期なんで余計にね。
ふ…ふふ…
亡者の鍵を使って、亡者の島に遺されている墓であろう堂に入ってみた。
堂は外見の大きさに似つかず、かなりこぢんまりとした作りになっていた。
そのくぼみの中に、このミノスの島で最期をむかえたさまよえる魂の遺物である骨のかけらが、山のように積み上がっていた。

近くに小さな壷が落ちていた。
恐らく、骨壺―カロンが言っていた、「遺灰」であろう。
どんな人間かは分からぬが、骨になったとはいえ、剥き出しにされ、ロクな埋葬もされないのはさすがに哀れだ。

そっと余は、壷に遺灰を入れた。
…500Gにつられたわけではないぞ。

最後に一番奥の堂に入った時だった。
いきなり、魔獣に襲われたのだ。
それは、雄々しい男の身体だが顔は猛牛という、いわゆる「ミノタウロス」のような化け物だった。
口から炎と同時に、次のような言葉を吐いて襲いかかってきた。


「何千もの子羊たちがいけにえにされた。わしがミノスの呪いから死をもたらし、空虚を作り出すために。
生きることを求めた者は、皆死して平穏を得るのじゃ!」

どうやら、この悪魔は相手を殺す事で安らぎを得ていたのだろう。
犠牲になった魂を束縛する事で。

無論、そんな生贄なんかになるつもりは毛頭ない。
炎を吐く魔物だけに、あっさりと余のディープフリーズで倒れた。
ふっ。
雑魚めが。
※神聖皇帝の言とは思えない

すると、死したミノの悪霊が巻き起こしたほこりがおさまった後、亡霊のような表情が現れた。
恐らく、このミノスの島の呪いによって囚われた者の魂なのだろう…


「そなたはわしを開放したのじゃ!
何年もの間、わしはこのミノスの島に
囚われておった。
行いではなく言葉によって
もたらされた呪いのために…
わしは言葉による殺人ゆえに呪われた。
言葉だけで人をあやめ、
言葉だけでその者を
死に いたらしめたのじゃ。
最初に私が『信じろ』と言ったとたん、
まるで剣の刃を見せたかのごとく、その者の
目の光りは失せ どんよりとなり、 心は機能を
失い、ほほえみから、あたたかみが消えた。
男の精神はいずこともなく さまよい、
長いこと新しきことを見、
知識をもて 生きるものに仕えていた
若き瞳は意味なく見開かれた。
わしが『真実』について語った
まさにその日、わし、すなわち
わしであった彼は死んだ。
そしてこの長き間、生命のわずかな
残りかすが おぼえていたがために、
この消え行く思考のこだまも
またここに残った。
これはミノスの島の我が呪い、
黒き水からひびく 遠き声の教えなり。
新しきものを見つめるもの、
なんじに、神の恵みのあらんことを。
災いは空虚、すなわち見ることのあたわぬ
老いぼれ、『本当』といわねばならぬ者に
残してゆくがよい…

そして亡霊はたち消えていった

…またわけのわからぬ話を延々と聞かされた。

と、その埃の中にキラリと光る物があったので、拾ってみた。
それは鍵だった。

…中央の堂の最奥に入るための鍵だ。
あそこは地下大墓地になっているようだった。

行ってみるか。

再び、あの扉の前に来た。

両目に宝石が戻った途端、扉のしゃれこうべが
悪魔のような冷たい笑みを浮かべた。

ゆっくりと扉を開けると、そこにはさらに地下に通じる螺旋階段があった。
開いた途端、冷たい空気―体感的なもの以上の何かを感じ、思わず身震いした。
身の毛もよだつ、と言えば語弊があるかも知れないが、この向こうにはよからぬものがいる気配をびんびん感じたのだ。

しかし、外界に繋がっているかも知れない。
意を決し、万が一の事があってはいけないので私が陛下の前に立って螺旋階段を降りる事にした。

階段を降りるにつれ、外界に繋がっている事は間違いない事に気付いた。
外の空気には水の香りが感じられた。
どうも近くに湖か何かがあるようだった。

螺旋階段が途切れた場所は、切り立った岩場―そして周りは川だった。
どうやら、城の基礎部分にまで降りてきてしまったようだ。
と、今いる岩の絶壁を取り囲み、曲がりくねりながらすべての方向、
目がとどく限り遠く、はるか彼方の洞窟まで続き、
霧の中に消え去るそれが目に入った。


「オズワルドよ、どうする? 行き詰まりだ…」

泳ぐ事も考えたが、魔物が跋扈している城の地下だ。
水の中にはもっと危険な魔物がいるであろう事は予想できたため、泳ぐのはやめた。

しばらくすると、陛下が岩場に何かを発見なさった。
指をさした場所をみると、床の上には、数多くの奇妙なルーン文字や印で飾られた円形の紋章が彫り込まれていた。
その内側には、わくにおさめられた墓がボートで水の向こうへ運ばれる光景がかかれていた。

「死が扉の向こうで待っている…か」

ミスタファファスが言っていた言葉を陛下は思い出されたようだ。
墓―水の向こうへ運ばれる―

ふと、大昔どこぞの神話の物語で聞いた事がある。
死者の川の舟守―

「む? この角笛にも似たような印があるな…」

陛下は円陣の上に立たれ、角笛を思い切り吹き鳴らした。
それは、水面のはるか彼方にまで届く印象的な音色でなりひびいた。
そして、こだまも消え行き、川一面は再び静けさが支配した。

「…やはり軽率だったかな」

そう陛下が呟かれた時だった。
霧の向こうから、暗い人影がゆっくりと現れた。

"死"がやってくるのだろうか―

否、まるで"死神"のような風貌をした男が霧の向こうから現れたのだ。
黒いローブに身をつつみ、骸骨にみまごうばかりのやせ細った人影だ。
細長い船の先頭に立ちながら、男はゆっくりと船を岸辺にみちびいた。

その男からは特に邪気は感じられなかった。

「私はカロン。遺灰の船頭をしている。死者の川の船頭だ。
私に遺灰を持ってきたのかね?」

「否、遺灰は持っておらぬ」

「…川を渡りたいかね?」

渡りに船ではあるが、遺灰の船頭…
魂の船頭ではないのだから、命を取られる心配は無いのだろうが…

陛下は「頼む」と恐れずにカロンの申し出を受けた。

乗るには500G必要だった。
しかし、今の私たちはそれぐらい簡単に出せるのですぐに支払って船に乗り込んだ。

船の乗り心地は悪くはない。
むしろ快適すぎる程だった。

しばらくカロンと私たちは話をした。


「ここは死者の川という所なのか?」

「死者の島、死者の土地…あまたの道がある…。ここはその端だ」

「貴公は船頭をしているというが、どういった仕事なのだ?」

「私は死者の船頭だ。私は遺骨の灰を死者の島に運んでいる」

「遺灰とは何だ?」

「死者の形見だ。私は灰をみつけたものに、500Gを支払っている。死者は死者の島のものだ」

ふと、水の上を漂っていると聞いたゾーフィタスの事が頭を過ぎった。

「ゾーフィタスを知って居るか?」

「正気を失い、困惑した魂…死んだ。しかしいまだに生き続けている!」

何も事情が分からない者ならば、謎かけと思える返答だ。
しかし、カロンの言葉は「善」のゾーフィタスの言葉が正しかった事を示してくれた。
「悪」のゾーフィタスは生きているのだ。

「では、この城の王妃も知って居るか?」

「その魂は復讐を叫んでいる!死者の土地で会うことができるだろう」

「レベッカについては?」

「アァ、私を妃のところへ追い立てた悪魔の子だ!王を探せばその側にいるだろう!」

「では王は―」

「死者の土地にて、生きながらえている。
彼は多くを おくってよこした…
そして、お前もまた…
死はあまたの姿を持っている…」

そういっている間に、一層空気の澱んだ孤島に近づいた。

「ここは死者の島だ…」


さらに数分進んだ所に、また小島が見えた。

「ここは亡者の島だ…ここが終点だ…」

礼を言って降りると、カロンは器用に櫂を使って反転すると去っていった。



島にはいくつかの鉄格子で区切られた、堂のようなものがいくつか立てられていた。
まぎれもなく、ここは墓場の島だった。

手前の堂の入り口にあるレリーフには、「ミノスの島 亡者の地」と彫られている。
と、門の根本あたりに、一冊の本とかぎがひとつ、ころがっていた。

その本は、「亡者の書」というタイトルが彫られていた。
何かヒントになるのではと思い、書物を読んでみた。


「ミノスの呪い
ミノスの島に住む者
ミノスの呪いによって滅び、
悪霊の姿にて現れる。
かの者、他者の破滅が自らの開放のかぎと教えられ、
それがゆえに、
かの地を訪れ
かの者と戦う者が現れ、
かの者が勝利をおさめ
呪いより解き放たれる解きが
訪れるのを
永久に待つ
しかるに、かの者は知らぬが、
その自由、かの者の敵が
勝利をおさめる時にのみ与えられる
なぜなら、敵はかの者を死にいたらしめた行いに
なやむがゆえに破滅し、
それゆえかの者は自由を得るのだから…」

読み終わると、本が散り散りになった。







現在、職場で風邪がまたしても蔓延しています。
今日は特に寒かったため、余計悪化させそうでちょっと心配です。
私も気を付けなくては…(まだ治りかけ)
そんな日に飲むワインって最高ですっ
階段を上った先は、少し大きな広場になっていた。

そこは、一種の王者の間だったのであろう。
わらを編んで作られた玉座に、険しい表情で警戒心も露な少女が座っていた。
彼女は風変わりな頭飾りをつけ、小さな骨とビーズ玉で出来たネックレスをいくつも首に巻いている。
そのすぐ横では、数名の女戦士が大きな団扇で彼女を扇いでいた。
そして、大きな気味の悪い仮面をつけた別の女が、彼女の右後ろから此方をじっと見つめていた。

「私はアマズールの女王! 我等の聖地に来たのは誰だ? 石を取りに来たのか?」

はいそうです、と誰が答えるものか。
石を取りに来たと言えば、こやつらは一斉に取り押さえるであろう。
仕方がない。

「そうか。ならば貢ぎ物を私の前に置け!」




このアマ、いい根性してやがる!

一瞬俺が気色ばんだのをみて、テレジアとフランソワが前に出て、これまでに拾ってきた武器を差し出した。

「これは、我が国最強の弓でございます」

…アラム城で拾って以来、「これいらないけど一応持ってくか」と合切袋の中でスペースをとっていた、いらないものだった。

それを受け取るなり、女王は後ろを振り向いて仮面の女に囁いた。

「言ったとおりだろ? 根性無しだってわかってたのさ!」



その根性叩き直してや…

俺が思わず武器を取りそうになったのをテレジアが力尽くで止めている間にフランソワが前に出て、何やら口上を述べている。
あー、あいつは女の扱いだけは得意みたいだからな。

「わたしはアマズールの女王!
わらわはマウムームーの寺院を治めておる」

「アマズールとは?」

フランソワの問いに、女王は誇らしげな表情を浮かべる。

「我等は寺院の守護者!
我等マウムームーの寺院を護る!」

寺院はどうやらマウムームーを祭っているものらしい。
それもこの広間の裏に存在しているようだ。

「マウムームーは岩の守護者!炎の道を行け!
炎の池の中に住まわれておる!」

そのやり取り後だった。
気味の悪い仮面の少女が近づいてきて囁いた。

「シーッ! 取引しない?
私はクワリクボナ。マウムームーの司祭よ。
私達この寺院に住んでるの」

意外にも友好的な少女を前にし多少戸惑ったが、その色気たっぷりの格好はたまらなかった。
先程のアマズールの女王とは大違いだ。

「マウムームーとはなんだ?」

「シーッ! マウムームーに聞こえてしまうわ! 
マウムームーは炎の池に住んでるの!」

「取引? 何をするんだ?」

「私はあなたの味方よ。役に立つものを持っているわ!」

「そうか。ところで、コズミック・フォージというのは?」

「それは何のこと? 知らないわ」

「あの女王は一体なんだ?」

「女王は下着を着けてないの!」

「なんだって!?」

俺はおろか、フランソワまでも先程の女王のいた方を見つめてしまった。

「シーッ! 後ろにいるわよ!
ともかく取引しない?」

この女の意図が分かりかねたため、俺は思わず「マインドリード」でこの女の心を覗いた。


―素敵

「君も素敵だよ」

咄嗟にそんな言葉を言ってしまった。

すると、クワリ・クボナは仮面をそっと取った。
下から現れたのは、どぎつい化粧をしているかかなりの美しい顔だった。
目はいたずらっぽく―そして挑発的な輝きを放っていた。

いける!
女っ気が無く、ひたすら泥と岩の中をウロウロしていたんだ。
たまにはこういう事も無くてはな。

「ねえ…一緒に燃えてみない?」


何!!

この女! 俺を誘うとはいい度胸をしている。

後ろから、冷たい、軽蔑しきったような視線が二つほど刺さってくるがそんな事を気にする俺ではない。

「無論だ」

「ならば証を立てて」

「証?」

「そう!炎の道を歩いて!それが証よ」



…どうやら、マウムームーに会って来ないとダメらしい。
ふん。
ならばさっさと倒してやろうではないか。

「いいだろう。歩いていこうではないか」

そこでクワリ・クボナが売ってくれている足の粉を買う事にした。
代わりに彼女が欲しそうにしていたマウムームー像を与えた。
後はさっさとマウムームーに会って…
ふ。
ひさびさに楽しい夜が過ごせそうだ。

「熱くなってるやつには気を付けて」

「ふ…待っておれよ」

俺だけでなく、この女も嬉しそうに―熱い夜を楽しみにしているようだ。

ならばさっさと終わらせよう。

奥に進んでみると、前方には煙を噴き上げる噴火口が待ち受けていた。
熱い石炭の層が火山の淵まで端のように続いており、ピラミッドから反対側へ渡る唯一の道となっていた。

先ほど購入した足の粉というものを革の靴の裏へ丹念に振りかけて塗ってみた。
そして半信半疑、恐る恐る石炭の道へ足を踏み入れてみた。

石炭は真っ赤になるほど熱くなっていたが、足には熱さも痛みも感じられなかった。
石炭の橋は、熱く煮えたぎった溶岩の上を渡って、直接火山口まで通じている。
溶岩の上に立つと、火山から伝わる地響きが感じられた。それはまるで今にも噴火すると言わんばかりであった。
振動は次第次第に激しくなっていった。
足元の溶岩が煮え立ち始め、突然火山が噴火した。
噴火した溶岩からは魔神のような姿が見え、そこから声が響いた。

「お前が石を取りにきたというのなら、わしが成敗してくれよう!」


…まだ何も言ってないんだがな。
何という短絡的な魔物なんだ。
つーか、ジャイアントマウンテンにいたロック・ガーディアンみたいなパチモンな魔物ではないか。
こんなモノをありがたがっていたのか、アマズールの女どもは。
…どうせゾーフィタスが作ったものなんだろう。

言うまでもないが、勝負はあっさりとついた。
全員でディープフリーズを連続で唱えたのだから当然だ。
そして、ロック・ガーディアンが持っていたものと同じ赤い宝玉を手に入れる事が出来た。

「ふ…証は立てた。待ってろよ、クワリ・クボナ。俺ので熱く燃え上がらせてやるぜ」


「何言ってるんだろうね、兄さん」

「…」

もはやテレジアとフランソワの言う事など聞く気は無かった。
だが…


「そういえば、姉さん、ここに来る途中大量のゾンビが襲ってきたのを覚えているか?」

「ああ。アマズールゾンビだろう? しかし男みたいな死体ばかりだった気がする…」

「気じゃなくて、男しかいなかったんだ。哀れな種馬の馴れ果てがあれだ」

「何」

「思い出したんだ、姉さん。確か、アマズールは気に入った男を見つけると死ぬまでひたすらアマズールの女の奴隷にされるんだ。彼女たちの優秀な娘を産ませるためにね。…男の子だった場合は殺されるという、蛮習だな」


待て!!
まさか、俺はその種馬にされる所だったのか。

「考えれば分かるだろう、兄さん。あのやり手の女宰相が、兄さんが格好いいからってほいほい部屋に招くと思うかい?」

危ねーー…


言うまでもなく、俺達は「巡礼してきた。もう帰る」と言ってさっさと出ていった。
クワリ・クボナが「そう?残念ね。気がむいたらまたいらっしゃいね」と色目を使ってきた…。

種馬も幸せかも知れないと思いつつ、あのゾンビたちを思うとぞっとする。

さっさとここから抜け出して、あの髑髏の扉まで戻ろう。



罠が止まり、いよいよ最奥にある尤も神聖な場所―何かの祭壇まで足を踏み入れる事が出来た。

だが、そう易々とはいかせてくれなかった。

壁の中と、祭壇の前の地中から何かが這い出てきた。
それは、おびただしい装飾品を体中に施された、生きる屍たちだった。
黄金のマスクをかぶっている、死者の中の王らしき者―アメン・タット・バット―と、彼に仕える神官―つまり、古代の王であったミイラが一斉に襲いかかってきたのである。


死者との戦いはある程度身に付いている。
ディスペル・アンデッドで、周囲のミイラどもは屠ったが、最後のアメン・タット・バットだけは手こずった。
さすが、死者の王の中の王と言われるだけはあった。
(何故そんな事を自分が知っているかと言われれば、近くに彫られていたカトルーシュ(王を示す神聖文字)を後で読んだからだ)

だが、それでも転職の繰り返しでレベルの上がりまくった自分たちの敵ではない。
フランソワの渾身のディープフリーズで勝負は決まった。

全てが終わると、兄上はさっそく探索を始めた。
ミイラたちが倒れた後には大量のアンクが落ちていたので、とりあえず拾っておくことにした。
後後役に立ちそうなので…
祭壇―否、小間の中に、粘土作りの小像が乾燥した花弁、骨、磨かれた石の玉に囲まれるようにして安置されていた。

美術価値とかそういうものは一切分からないが、これが貴重そうな宝である事には間違いない。
手を伸ばしかけたが、はたと止まった。
絶対に罠が仕掛けられている。

「やっとこれが役に立つわけだな」

兄上が引きずり回していた砂袋がこんな事に役立つとは思いもしなかった。
同じ重さ―否、何らかの重ささえ加えて置けば、罠は作動しないままだろう。

「いいか、お前達…音を立てるなよ」

珍しく緊張した声で、兄上は神経を集中させる。
今邪魔をしてはいけない。

それは一瞬の出来事だった。
兄上はしんちょうに、素早く像をかすめ取りながら、代わりに砂袋を置いた。
そのすり替えは、周りの花弁が全く動かないほどスムーズだった。

緑色の像を手に入れ、その像の顔を見て思った。
この像の顔は、通れなかった鉄格子の前にあった紋章とほぼ一致している。
あそこで何かをすれば、開くかもしれない。
そう思った自分たちは、ピラミッドの頂上まで登り、鉄格子の前まで足を運んだ。

門の天辺の丸い紋章には、奇妙な動物の首が刻み込まれていた。

そう、この手に持っている小さな像と一致しているのだ。
紋章の前で像を振ってみた。
すると、鉄格子が音を立てて開きだした。

奥には階段がある。
その上からは―何か沢山の人間がいるような気配がしていた。

「入れ…という事だろうな」

自分たちは意を決して、鉄格子の奥の階段を上った。
空き袋(現在兄さんが引きずっている砂袋)の近くに、髑髏の紋章の入った鍵があった。
地下の方に繋がる扉には、ちょうど髑髏の紋章があったのでこの入り口の鍵である事は言うまでもない。

ピラミッドは、王墓と言われている。
地下には恐らく、古代の王たちの亡骸があるかも知れない。

この城一帯のことだ、恐らくゾンビ化した王たちが襲ってくるだろう。
ぞっとしないな…。
もっとも、アマズール族の女戦士と戦うよりはまだ後味の悪さは無いだろうが。

扉を開けると、長い回廊になっていた。

「きっと宝があるんだろうな」

兄さんはこういう事に限っては、急にやる気を出す。

「…しかし、王の亡骸があり、かつ宝があるとすれば、罠もあるはず…気を付けられよ、兄う…」

姉さんが言葉を言い終わらない内に、私たちは足を踏み外してさらに下の階層に落とされた。

「いててて…なんだッ!?」

そう言えば、最後尾を歩いていた私が通り過ぎた時、何か「カチッ」という音がしたな…

「「そういう事はさっさと言え!!」」

兄さんも姉さんも…
同時に怒らなくたって…
まさか、私がスイッチを押してしまうとは思わなかったんだが…。

何とか這い上がって、今度は引っかからないようにした。

ここにはスイッチは二種類あり、床に仕掛けられているものと、壁に埋め込まれているものとがある。
どういう仕掛けなのか、床に仕掛けられているスイッチは、最後尾の人間が体重移動を終えるなり(歩数を計算した上で)スイッチの先にある落とし穴の蓋が開くようになっている。

墓荒し対策なのだろう。

しかし、面白い事に壁に埋め込まれたスイッチを押すと蓋がしまったりするのだ。

「よーし、落とし穴を全部回避しながらいくぞ。フランソワ、壁のスイッチを準じ押していけよ」


そう言われたから、私は近くのスイッチを押した。




ごごごご…


不穏な音が後ろから聞こえる。



「逃げろ!!」


叫んだのは、兄さんなのか姉さんなのかそれとも私なのか…
全員全速力で駆けた。
後ろから、通路一杯の大きさはあろうかという巨岩が転がってきたのだ!


ギリギリで回避したが…

「この野郎!!慎重に押さんかい!!」

罵倒と共に兄さんの拳骨が私に浴びせられた。

「スイッチを押せと言ったのは誰だ!」

「兄さんが押せと言っただろう!」

「だからって、全部押すのか貴様は!」

「じゃあ、また落とし穴にはまりたいのか!」

「ええい!!不毛な言い争いはやめろッ!!」


姉さんの一声で、私も兄さんも黙った。
確かに不毛ではあった…。


そして、最奥まで行くと一つの小部屋があった。


「これだけか?」

兄さんの落胆した声があった。
王墓というには、あまりにもお粗末な玄室だった。

「まさか…しかし…」

その時だった。


「うああッ!」

姉さんがいきなり闇に飲み込まれた。
先程の落とし穴よりもさらに深い。

「テレジア!」

「姉さん!」

私は躊躇する事なく、落とし穴に飛び込んだ。
姉さんを助けなくては!という思いでいっぱいだったので、何も考えていなかった。

足をくじきかけたものの、すぐ側に姉さんがいたので安心した。
姉さんは特に怪我はしていなかったが、今にも「面目ない…」と言いそうな表情だった。

「…?ここはさっきの場所とは違うな」

単なる落とし穴ではない。
まさか…


「兄さん、レビテイト(浮遊)を使って降りてきてくれ!宝が先にあるぞ!」

宝と聞くなり、兄さんはすでに軽やかに滑り降りていた。

「ただの落とし穴じゃなかったのか」

先程の地下の圧迫されたような空気ではなく、あきらかに異世界―何か一種の神聖さを感じさせる場所に私たちはいた。

落とし穴の先に行くと、広間に出た。
広間の先には―柩の間らしき部屋が見えた。

「あれか!」

駆け出しかけた兄さんは、やはり筆頭騎士だけの事はあった。
一瞬にして、身を反らし、直ぐさま引き返さなければ矢の雨に全身を射抜かれる所だった。


「くそ!やはり……」

巧妙な罠が仕掛けられていたものだ…。
墓に入った瞬間、矢の雨と毒ガスが噴きだしたのだ。
幸い、私たちがいる所まで毒ガスは及ばなかったが―

「罠の作動させるスイッチがあるなら、罠の作動を止めるスイッチがあるはず…」

今度の壁に埋め込まれたスイッチはまさしく止めるスイッチだった。

≪ Back   Next ≫

[34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44]

Copyright c Scribam quid sentiam。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By Mako's / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]