オズワルドの日記
双子の巨人の家にあった階段を上った所、ジャイアントマウンテンの頂上だった。
そこは一種の神聖さを感じさせる場所だった。
巨岩がまるで神殿の支柱のように左右に整然にならべられている。
その奥に、巨大な顔―否、岩に顔を掘ったオブジェが浮いていた。
何の気兼ねもなく、私と陛下が近寄った時だった。
「我は岩の守護者なり! 石を取りに来たのか?」
そんな声が岩のオブジェ―否、それは生き物だった。
いきなり話しかけられた際、陛下は咄嗟に「そうだ」と答えられてしまわれた。
「ならば成敗してくれよう!」
岩の守護者はそう言うなり、口から岩を吐き出して襲いかかってきた。
何とか避けているものの、足や腕や背中に何度も岩を喰らってしまった。
倒そうにも、私が両手剣で斬りかかってみても岩の妖魔―そもそも、武器攻撃は通用する相手ではないとは分かっていたが。
弱点は無いのか…。
そう思っていたとき、ふと守護者の額に青く妖しく輝く宝石がはめ込められているのに気付いた。
そこを攻撃すればいいのではないかと思い、渾身の突きを宝石めがけて出してみた。
すると、青い宝石が割れると同時に巨岩はバランスを失い、地中に落ちた。
その衝撃で、岩は粉々に砕け散った。
恐らく宝石はこの岩が動く魔力の源だったに違いない。
砕け散った岩の残骸―瓦礫の中から、赤く輝く宝玉を見つけた。
「これは、おそらくあの髑髏の門の“眼”の部分であろうな」
そこで一旦城の地下にあった、鍵が無い2つの扉を思い出した。
ちょうどミスタファファスから、髑髏の門とゾーフィタスの部屋が地下二階にあることを教えてもらっている。
戻る事にしたが、正直この山をまた降りたり、下の道に戻るのは困難である事は想像が付いた。
が。
意外にも戻れる事ができた。
双子の巨人の家内にスイッチと
「キケン! ボタンヲ オスト デグチニ ツナガル」
という警句が刻まれた札があった。
不安に感じつつも、スイッチを押してみた。
すると唐突に床が開き、私と陛下は落下した。
幸い怪我は無かったが、ここはどこだろう。
そう思って辺りを見回した時、そこはちょうどジャイアント・マウンテンを一周しきった地点だという事に気付いた。
城に戻るエレベーターのある地点と目と鼻の先だ。
すぐに私たちはエレベーターに乗って久々に城に戻った。
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