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わたしは自分がなにを感じ―なにを考え-ているかを書いてみたいと思う(キケロ)
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そのまま俺たちは(面倒なので)さっさとマイちゃんの所に行って、キセルとやらを取っていく事にした。



「引換番号は38-23-36」

堂々と答えると、マイ・ライはにこやかに笑った。

「はいはい、わかりました。調べて参りますので、しばらくお待ち下さい…」

こんな魔物だらけの所で待たされるのは居心地悪いが、無事に水キセルが渡されるのを今かと待っていた時だった。


「イヤーーーァ!」



突然、絹を裂く悲鳴が聞こえた。
無論、テレジアではない。
マイ・ライのものだ。

「助けて!助けてーーー!」

突然、その南洋美女は、さけびながら建物から走り出て、
そのまま川の中に飛びこみ、
あっと言う間におよぎ去ってしまった…


後に残されたのは、呆然とした俺たちだった。


「…こんな魔物だらけの川によく飛び込んだな…」

俺がぽつりと呟いた。

「そんな事を気にするよりも、兄さん…なんかもの音がしないか?」


フランソワの指摘通り、奥で物音がする。


「いつまでも戻ってこないしな…少し様子を見ようか」

テレジアが言うので、俺たちは建物の中に入った…

と、中は滅茶苦茶になっていた…
そして、身の丈60㎝ほどのこびとが走り回っているのが目に入った…

ボークが大暴れしながらこっちに来るぞー!



それはスプリガンの一種だが、巨人というよりはまさにこびとだった。


「目が完全にイッてやがるな…」

「あのハンマーに気を付けるべきだな」

ボークは遮二無二ハンマーを振り回して飛びかかってきた。
マイ・ライの言葉が頭を過ぎった


―退屈なので何かしたい―


暴れ回りたいという事だったのか。
だが、これは少々度が過ぎる。

「出来るだけ、殺生は控えたかったが―仕方ない」

フランソワ・テレジア共にすっと影に隠れる。
これが今の俺達の攻撃の合図だ。

それにしても、象を投げ飛ばすは誇張かと思っていたが、本当に投げ飛ばす事ぐらい容易なのではないだろうか。
あのハンマーの重さは半端ないはず。
それを棒きれか何かのように振り回しているのだ。

下手に接近してしまっては、頭をスイカみたいに吹っ飛ばされかねないな…!


その時だった。

「兄さんも隠れるんだ!」

何故かフランソワの言葉に従った。
と同時に、そこには身の丈3メートルはあろうかという悪魔―それも地獄からの死者と言わんばかりのものが現れた。


「コンジュレイションを使ったのか…」


言うまでもなく、召喚魔法だ。
イリュージョンで呼び出される影や幽霊、クリエイト・ライフのような動物生命体を創り出すよりもはるかに強力なものだ。

グレーター・デーモンは、俺たちの予想よりも遙かに働いてくれた。
凄まじい悪魔の腕の一振りは、さすがにボークでも避けきれないのか、吹っ飛ばされたまま壁に激突し、勝負はついた。


…しかし、ボークが暴れた以上にグレーター・デーモンが暴れてしまったせいか、完全に倉庫は滅茶苦茶になってしまった。


だからこそ、瓦礫の中から「水キセル」を見つけたのは奇跡としかいいようがない。
しかも無傷だ。




さっそく芋虫に渡してやった。

「ウムムムム…(スパスパ)
アァーーーッウ!(スパスパ)
いや、たまらん…(スパスパ)
イーーーャ!(スパスパ *ゼイゼイ*)
ゴホン!ゴホン!
(ゴフ! エヘン! ゴホン!)
もう少しかるいヤツの方がいいかもしれん…
*ハーハーハー*
これはホントにかるいヤツだ…」

夢中で吸ったせいなのか、久しく忘れていたせいなのか、いも虫はむせて桃色の煙を吐き出していた。
なんて渋いタバコなんだ…。

「おお、そうだ。『ちっこくなる』ヤツをやってみんかね?」

「ちっこくなる?」
何故か興味が湧いた俺たちは、試すと答えた。

「なら、いつかこいつをためしてみたまえ!」

そういうと、芋虫はポケットから何かを渡した。
…って、赤いキノコ…
見るからに、やばそうな色をしている…。

「おお、そうじゃ。
ところで、もしお香をお好みなら…*クンクン*
この煙のかおりは最高じゃよ。好きなところで使いたまえ・・・
さて、それでは失礼して、わしは(ハーハー)
お気に入りの木陰までいって、わしのパイプともう一度親しく、つきあってくるとしよう(ハーハー、ウウ、ゴホン)」


まだむせてるぞ、おっさん…


しかし、このお香はなかなかいい匂いがする。
どこかで使ってみるか。
そう思い、俺達は結局またあの地下水脈へ戻る事にした。
せっかく帰られるとおもったんだがな…
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